「消費生活に関するパネル調査」の概要

調査の目的

 私たちは若年女性の生活実態を、収入・支出・貯蓄、就業行動、家族関係などの諸側面から明らかにしようと考えています。とくに生活実態の変化に着目し、この調査を設計、実施、分析してきました。対象者として選んだ若年女性の多くは、学校卒業後就職し、結婚・出産を迎えるといったように世帯変動が大きく、または、シングルとしての生活を継続するといったように個人のライフスタイルが多様な年齢にあります。本調査の目的は調査対象となっている世代の違い、ライフステージの移行過程での変化、特別な出来事に直面しての変化など、生活上の様々な変化や違いの諸要因と問題点を明らかにし、国民生活に関わる適切な提言につなげることです。

調査の経緯

 「消費生活に関するパネル調査」は、公益財団法人家計経済研究所(2017年12月解散)が1993年に開始し、2018年4月より慶応義塾大学パネル設計・解析センターに移管されました。24~34歳の若年層の女性(コーホートA)を全国規模で抽出し、留置回収法で調査を行っています。1997年からは24~27歳(コーホートB)を、2003年からは24~29歳(コーホートC)を、2008年からは24~28歳(コーホートD)を、2013年からは24~28歳(コーホートE)を新たに調査対象者として加えました。本調査は毎年行われており、回答者の欠落も比較的少ないため、パネル調査の欠点も相当程度克服しています。

調査の特徴

 調査内容は関心の異なる研究者にも分析可能であるという意味で充実しています。具体的に述べるならば、経年項目として生活変動や就業形態、家計収入・支出・貯蓄、家計管理タイプ、消費者信用、生活時間、耐久消費財の取得状況、生活意識などが組み込まれています。さらに、トピックス項目として消費税増税などタイムリーな項目が組み込まれている年度もあります。これらの調査項目は家政学、経済学、社会学、心理学等の研究者だけでなく一般読者の関心をよぶと思われます(詳細な調査項目についてはこちら)。

研究組織等