何のための調査なの?

女性の生き方から 今の社会が見えてくる

 慶應義塾大学パネルデータ設計・解析センター(2017年までは公益財団法人 家計経済研究所)は、「消費生活に関するパネル調査」を毎年行っています。女性とその家族の暮らしを長期にわたって継続的に記録することで、多様な女性の生き方や考え方、さらには社会のあり方が明らかになるからです。
 日本社会は常に変動しています。そして政策や景気など社会経済的条件は、その時その社会に生きる女性にさまざまな影響を与えます。女性の暮らしを見つめ、ライフスタイルの変化の実態を把握することで、時代を解き明かしています。

得られたデータは社会問題への対応・対策に

 「消費生活に関するパネル調査」の調査結果は、学術的な研究やマスメディアによる公表などを通じて、女性の生き方や仕事・家計などについての基礎的な資料の提供や、社会政策や生活にかかわる分析・提言に役立てられています。
パネル調査を使って女性やその家族の生活や考え方を知る、すなわち「ミクロを見つめる」ことは、社会全体(マクロ)の問題点を浮かび上がらせることにつながります。この構造が「消費生活に関するパネル調査」に公益性をもたらしています。
 日本はいま、未婚化や少子化、格差や雇用不安など多くの社会問題を抱えています。それらの原因解明や有効な対応策・予防策の検討などに、この調査で得られるデータが役立っています。